2000 パシフィックリム選手権 (EPSON CUP)











フィジー代表日本滞在取材



5月20日(土)
 
 午前中は試合前のライト・ミールが用意された部屋でストレッチで体をほぐしました。各選手の顔から次第に笑顔が消え、緊張が高まるのを感じます。
11:3 0、バ スでホテルを出発。
12:10、秩父宮ラグビー場のロッカールームへと選手 が消えて行きました。雨模様のグランドでは報道関係者や競技役員が慌しさを増していま す。
13:00、日本代表に続き、フィジー代表がグランドに姿を見せました。愛くるしいフィジアンの笑顔はどこにもありません。両国国歌に続き、ジョー・ベ イタヤキ(愛称:ビッグ・ジョー)をリーダーにキックオフ直前のウォー・ダンスで興奮が高まります。
13:05、キック・オフ。フィジーベンチからは「カモン・ ボーイ ズ」と掛け声が響きます。大畑選手や増保選手が走れば、その声はさらに大き くなります。試合後のアシスタント・コーチの話では、日本代表の早いパスワーク と、両ウィング、そして広瀬選手のPKには警戒していたそうです。試合は フィジーのトライで先制しましたが、日本代表のPKで詰め寄られ、予断を許さない展開 にベンチでは緊張感が高まりました。後半を迎え、フィジーが続けてふたつの トライを取ると、ベンチの雰囲気も一気に盛り上がり、明るさを取り戻しています。 ニッ キー・リトルは広瀬選手に劣らずPKを成功させました。また、ビッグ・ ジョー (ジョエリ・ベイタヤキ)が走ると、まわりの選手が奮い立つそうです。キャ プテンのサイモン・ライワルイの地味なプレーも要所でチャンスを作っていたようで す。 試合は47−22でフィジー代表が日本代表を下しました。
  グレッグ・スミス監督談「結果として点差は開きましたが、予断を許さない厳しい試 合内容でした。そして、エキサイティングなゲームでもありました。フィジー 代表、 日本代表ともにスタートしたばかりで、若く大きな可能性を持ったチームだと 思います。とくに日本代表とエキサイティングなラグビーができたことそして、ラグ ビー以 外にも多くの事を日本で学ぶことができたことは、選手にとって大きな収穫で した。 また、日本のラグビーファンの皆様を身近に感じることができ、とても嬉しく思いま す。最後に試合前の数日間、素晴らしい練習環境を用意いただいた日本ラグ ビー協会 のご尽力に重ねて感謝いたします。」
  フィジー代表は5月22日、成田空港から夜のフライトで帰国の途につき、アピアで のサモア代表(6月3日)との対戦に向けてキャンプに入ります。



5月19日(金)
 

笑顔が戻ってきた
 5月15日から滞在していた日本エアロビクスセンターを後にし、秩父宮ラグビー場で軽く汗を流しました。美しいグリーンが萌えるグランドで、思い思いのスタイルで感触を確かめていました。最後はウォーキング・タッチフットを楽しみ最終調整を終えました。ウォーキング・タッチフットでは底抜けに明るいフィジアンの笑顔に戻っていました。見ていても楽しい彼らのラグビーの本質に触れたような気がします。夜のミーティングではグレッグ・スミス監督自ら、一人一人の選手にユニフォームが手渡された後、補欠選手の労を称えていました。
  そして本日、フィジーで発生した事件についての説明がされましたが、選手の動揺は隠せません。 一部ニュースで報道されましたが、母国フィジーで本日、現政権に反抗するグループ(7人の暴徒)による首相監禁事件が発生し、クーデターに発展するのではと心配されましたが沈静化に向かっているようです。13年前の1987年5月19日、第1回ワールドカップの準々決勝でフィジーvsフランスの試合が始まろうとしていた時に、母国フィジーでクーデターが発生しました。それにもかかわらずはつらつとしたプレーを披露したフィジー代表は、観客の熱い感動を呼びました。まさに13年後の同じ5月19日、フィジー代表が日本代表と試合を迎える直前にこのような事件が起きたことは残念でなりませんが、フィジー代表のはつらつとしたプレーに期待して下さい。



5月18日(木) 

ツイセセ(アシスタント・コーチ)& グレッグ・スミス監督

フォワード
 昨日よりもさらに冷え込んだ朝を迎えました。小雨に加え風も強まっています。しか し、選手は元気です。とくにコンビネーション・プレーでは全員が声を掛け合いなが ら、お互いの士気を高めていました。午後にはフィジー代表、日本代表ともにスクワッドが発表され、選手の顔にも緊張感が見られました。
  明日から東京に移動するにあたりグレッグ・スミス監督は「日本には美しい森がまだまだあるのですね。このような素晴らしい環境でトレーニングができたことに 感謝します」とコメントしています。また、キャプテンのサイモン・ライワルイは 「良い環境の中でチームもまとまってきた。プレッシャーもあるが試合では良いプレーをしたい」と決意を新たにしています。チームは明日の午後、秩父宮ラグビー場を下見した後、ヒルトン東京に入ります。



エモリ・カタラウ
(愛称:フィジー・スカイラブ)



5月17日(水)

ポスターを持っているのがキャプテンのサイモン・ライワルイ。
右端 がバイ ス・キャプテンのニッキー・リトル。

雨の中、激しいプッシュ・ワーク
 朝から雨模様で肌寒い天気となりました。選手は日本人が感じる体感気温よりもさらに、寒さを感じているはずです。常夏の国フィジーでは暑さと雨はラグビー につきものですが、寒さには多少、戸惑いを感じているようです。朝食の後、約1時間のミーティングではデフェンスについて確認が行なわれました。特に5月10日に代表メンバーが発表されたばかりですので、ミーティングを通 して選手、監督間のコミュニ ケーションを深めることに重点を置いているようです。ミーティングの後はインドアのジムを借り、バックスのパスワークやラインアウトの練習で汗を流しまし た。フィジーでは「スカイ・ラブ」という愛称で呼ばれているエモリ・カタラウ(ロッ ク、198cm、104kg、ダンバントRFC/ウエールズ)のラインアウトも順調に仕上がっているようです。特にフォワードはその後、雨の中、スクラムマシンを 使って激しいプッシュ・ワークを繰り返していました。いつもは冷静なプレーを見せる新キャプテンのサイモン・ライワルイ(ロック、200cm、120kg、 ニューポー トRFC/ウエールズ)ですが、スクラムマシンを前に闘志をむき出しにしていまし た。彼がどのようなキャプテンシーでチームを牽引するか楽しみです。
  ウォー・ダンス(NZオールブラックスのハカと同じ意味) その昔、フィジーでは部族間の闘争が絶えず、当時の戦いの雄叫びが継承され たものと言われています。キック・オフ直前のウォーダンスでは、「タイボボ、タイボボ」の掛け声で勇気を奮い立たせます。フィジー代表にとって精神的なヒートアップとして欠かせないパフォーマンスです。



フィジー練習開始<5月16日(火)>

 爽やかな天候に恵まれた日本で最初の朝を迎え、選手に笑顔が戻ってきました。今朝のミーティングでは全員がグレッグ・スミス監督のもと、エプソンカップに掛ける気持ちを確認し合っています。新緑が美しいグランドでは、少しづつ選手の士気が上がっています。練習ではキックオフ、スクラムとラインアウトからの基本的な連携プレーを繰り返し確認していました。また、午後のタックル&ランのサーキットでは、監督はじめトレーナーまでもが声をあげてのハードな内容でした。選手がタックルマシンにぶつかるたびに「ファイヤー!」と、厳しい声が飛び交っていました。グレグ・スミス監督のファースト・テストに掛ける意気込みが伝わってきます。最後はプールトレーニングでリラックスしています。現在まで選手に怪我も無く、明日のトレーニングはますます士気を高めるプログラムになるようです。
     
フィジー代表リエゾン(大室誠)

フィジー練習風景

円陣を組んで、志気を高める



フィジー軍団、成田へ到着 <5月15日(月)>

 フィジーからのフライトは定刻に成田空港に到着しました。フィジー代表は疲れた様子もなく、元気に宿泊施設のある日本エアロビクスセンターへのバスへ乗り込 みまし た。旅なれているせいか、コンパクトにまとめられた選手の荷物の中に、ひときわ目立つ段ボール箱を見つけ尋ねたところ、フィジー産のタロ芋(フィジーの人々の主食で現地ではダロと呼んでいます)を持参したそうです。昨年のワールドカップではこのダロが確保できず、つらい思いをしたとか。選手いわく「これがないと力が 出ない」そうです。宿泊施設に到着後は軽く30分ほど、ストレッチとタッチラグ ビーで汗を流しました。グレッグ・スミス新監督(前ワラビーズ・コーチ)にとっ て、フィジー代表を率いての初めてのテストマッチが5月20日のジャパン戦です。
  そのグ レッグ・スミス監督からのメッセージです。 「私にとってフィジー代表を率いての初めてのツアーですが、とても楽しみです。5月20日の秩父宮ラグビー場では日本のラグビー・ファンの皆様へ素晴らしいゲーム をお見せできるよう、チームのコンディションを整えていきます。最後になりますが フィジー代表の日本滞在にあたって、日本ラグビー協会のご尽力に感謝申し上 げます。」

      
フィジー代表リエゾン(大室誠)

フィジー軍団、成田到着


(記事、写真提供 日本ラグビーフットボール協会)



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